生命保険入ってないとどうなる?未加入のデメリットや死亡時の保障などを解説
多くの人が生命保険に加入していますが、どれくらいの人が入っていないのでしょうか?また、生命保険に入っていないとどうなるのかも気になるところです。今回は、生命保険未加入によるデメリットや死亡時の保障を解説します。生命保険に入っていない人の割合も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
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生命保険に入ってない人の割合は?
まずは、年齢別と世帯年収別に生命保険へ入っていない人の割合を解説します。
年齢別
世帯主の年齢別で、夫婦両方が生命保険(民保・簡保・JA・県民共済・生協等)に加入していない割合は、以下のとおりです。
世帯主の年齢 | 夫婦ともに生命保険へ加入していない割合 |
29歳以下 | 35.1% |
30~34歳 | 11.8% |
35~39歳 | 14.3% |
40~44歳 | 8.5% |
45~49歳 | 7.1% |
50~54歳 | 7.7% |
55~59歳 | 6.8% |
60~64歳 | 6.7% |
65~69歳 | 7.7% |
70~74歳 | 13% |
75~79歳 | 15.9% |
80~84歳 | 21.8% |
85~89歳 | 35.9% |
90歳以上 | 70% |
全体 | 11.5% |
出典:生命保険文化センター「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査」
全体では、夫婦ともに生命保険へ加入していない世帯は11.5%です。特に40〜60代の生命保険加入率が高いです。
世帯年収別
世帯主の年収別で、夫婦両方が生命保険(民保・簡保・JA・県民共済・生協等)に加入していない割合は、以下のとおりです。
世帯年収 | 夫婦ともに生命保険へ加入していない割合 |
200万円未満 | 24.1% |
200万~300万円未満 | 18% |
300万~400万円未満 | 14.6% |
400万~500万円未満 | 11.4% |
500万~600万円未満 | 9.6% |
600万~700万円未満 | 8.2% |
700万~1000万円未満 | 6.4% |
1000万円以上 | 9.4% |
出典:生命保険文化センター「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査」
世帯年収があがるほど、生命保険へ加入する割合は高くなっています。世帯年収が1000万円以上で夫婦ともに生命保険へ加入していない世帯は、9.4%となっています。
生命保険に入ってないことによるデメリット
生命保険に入っていないと、どうなるのでしょうか。ここからは、生命保険未加入によるデメリットを解説します。
遺された家族が生活に困る
死亡保険に加入していない人が亡くなっても、遺族は死亡保険金を受け取れないため、遺された家族が生活に困る可能性は高くなります。
高額な医療費に対応できない
日本は公的保険制度があるため、医療費は一部負担ですむ場合が多いですが、医療保険へ加入してない場合には保険適用外の高額な医療に対応できません。
以下の費用は公的保険の保障対象外となります。
- 入院時の差額ベッド代
- 入院時の食事代
- 先進医療の医療費
入院が長期化すると、高額な差額ベッド代や食費が必要となります。また、先進医療を受ける場合は数百万円の医療費が必要となることもあります。
老後の生活資金が不足する
貯蓄機能のある死亡保険や個人年金保険に入っていない場合、老後資金の不足する可能性があります。年金以外に老後の備えが必要となる人も少なくありません。
高齢世帯が受給する平均年金額と平均生活費は、以下のとおりとなります。
- 厚生年金受給者の平均年金額:月14万3,965円
- 国民年金の平均年金額:月5万6,368円
- 65歳以上単身無職世帯の平均支出:月14万4,747円
自営業者などの国民年金のみしか受給できない単身者は、老後の生活費が平均で月8万8,379円ほど不足します。年金以外に保険や資産運用などでの老後対策が必要です。死亡保険や個人年金保険、預金などで老後対策をしていないと、経済的に充実した老後を送れない可能性があります。
節税効果が得られない
生命保険に入っていない場合、生命保険料控除を受けることができません。。生命保険に加入することで、生命保険料控除により所得税と住民税を抑えることができます。
生命保険料控除の金額は、以下のとおりです。
生命保険料控除(2012年1月1日以後に締結した保険契約等)
年間の支払保険料等 | 控除額 |
2万円以下 | 支払保険料の全額 |
2万円超4万円以下 | 支払保険料×1/2+1万円 |
4万円超8万円以下 | 支払保険料×1/4+2万円 |
8万円超 | 一律4万円 |
出典:国税庁「No.1140 生命保険料控除」
生命保険料控除は、生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料ごとに適用されます。それぞれの保険料を毎年8万円支払っている場合、合計で12万円(4万円×3)の生命保険料控除を適用可能です。住民税率10%・所得税率10%の人の場合、合計で4万8000円(24万円×20%)も税金を安くできます。しかし、生命保険に未加入の場合は、生命保険料控除による節税効果は得られません。
相続税対策ができない
生命保険に入っていないと、相続税対策ができません。通常、被相続人が亡くなった場合には、相続人が受け取る預金や不動産などの資産に対して相続税がかかります。ただし、保険契約者と被保険者が同一の生命保険金を相続人が受け取った場合、一定額を非課税で受け取ることが可能です。非課税となる金額は、以下のとおりとなります。
- 500万円×法定相続人の数
法定相続人が妻と子ども2人の合計3人の場合、1500万円(500万円×3人)までの生命保険金は相続税がかかりません。そのため、生命保険を相続税対策として利用可能です。ただし、そもそも生命保険に加入してないと、相続税対策での活用はできません。
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生命保険に入っていなくても受け取れる死亡時の補償
生命保険に入っていない人が死亡した場合、どうなるのでしょうか。ここからは、生命保険未加入でも死亡時に受け取れる補償を解説します。
遺族年金
年金制度に加入する人が死亡した場合、遺族が年金を受け取れることがあります。
遺族基礎年金
遺族基礎年金は、国民年金に入っていた人が死亡した場合に遺族が受け取れる年金です。遺族基礎年金をもらえる受給対象者は、以下のとおりとなります。
- 子のある配偶者
- 子
「子」とは、18歳になった年度の3月31日までにある人をさします。そのため、子のいない配偶者や19歳以上の子どもなどは、遺族基礎年金を受け取れません。遺族基礎年金の年金額は、以下のとおりです。
遺族基礎年金の年金額(子のある配偶者が受け取るとき)
1956年4月2日以後生まれ | 79万5,000円+子の加算額 |
1956年4月1日以前生まれ | 79万2,600円+子の加算額 |
出典:日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」
子の加算額は、1人目と2人目の子は各22万8,700円、3人目以降は各7万6,200円となります。18歳以下の子が2人いる1957年生まれの配偶者が遺族基礎年金を受け取る場合、受給金額は年125万2,400円(79万5,000円+22万8,700円×2人分)です。
遺族厚生年金
遺族厚生年金は、会社員や公務員などの厚生年金に入っていた人が死亡した場合に遺族が受け取れる年金です。遺族厚生年金は、亡くなった人に生計を維持されていた遺族のうち、もっとも優先順位の高い人が受け取れます。
遺族厚生年金の受給優先順位は、以下のとおりです。
- 妻
- 子(18歳になった年度の3月31日までに限る)
- 夫(死亡当時に55歳以上である場合に限る)
- 父母(死亡当時に55歳以上である場合に限る)
- 孫(死亡当時に55歳以上である場合に限る)
- 祖父母(死亡当時に55歳以上である場合に限る)
出典:日本年金機構「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」
受給する年金額は、死亡した人が受け取っていた老齢厚生年金報酬比例部分の4分の3の額です。亡くなった人が月に20万円の報酬比例部分の厚生年金を受け取っていた場合、月15万円(20万円×3/4)を遺族厚生年金として受け取れます。また、遺族基礎年金と遺族厚生年金を同時に受け取ることも可能です。
死亡一時金
自営業者などの第一号被保険者として36ヶ月以上年金保険料を納めた人が亡くなった場合、遺族へ死亡一時金の支給があります。ただし、死亡した人が老齢基礎年金や障害基礎年金の受給を開始していないことが要件です。死亡一時金は、保険料納付期間によって12万〜32万円が支給されます。
労災補償
会社員や公務員が業務や通勤などが原因で死亡した際には、遺族等年金が給付されます。
給付される遺族等年金の額は、以下のとおりです。
遺族数 | 遺族等年金の額 |
1人 | 給付基礎日額の153日分 |
2人 | 給付基礎日額の201日分 |
3人 | 給付基礎日額の223日分 |
4人以上 | 給付基礎日額の245日分 |
出典:厚生労働省「遺族補償給付(業務災害の場合)」
給付基礎日額とは、ボーナスを含まない平均賃金です。生計を同じくしていた遺族が2人で給付基礎日額が1万円の場合、遺族等年金は年201万円となります。
住宅ローン
住宅ローンの団体信用生命保険に加入することで、万が一の死亡時に遺族に住宅を譲ることが可能となります。団体信用生命保険とは、住宅ローンを組む際に加入が推奨される、または義務付けられることのある保険です。
ローン返済中に契約者が亡くなった場合、この保険によりローンの残債が完済されます。これにより、遺族は返済義務を負うことなく住宅を所有することが可能となります。
まとめ
生命保険に加入していると、遺族が生活に必要な資金を準備したり、入院時の差額ベッド代や食事費をカバーしたりすることが可能です。一方で、生命保険に未加入の場合、充実した補償を受けられないため、不安を感じることもあります。これは特に、万が一の事態が発生した際の遺族の生活について心配する人にとっては大きな問題となるかもしれません。
生命保険への加入を検討し、充実した補償を確保することで、未来に対する準備をしてはいかがでしょうか。